Restaurant TOYO Tokyoソムリエの徳重雄大です。

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本日は、

◉1989 Ch.Gruaud Larose St-Julien

France〉Bordeaux〉Medoc〉St-Julien

Merlot主体で、Cabernet Sauvignon、Cabernet Franc、Petit Verdotのブレンド。

ブドウを収穫後、約24〜29℃に温度管理された木樽とセメントタンクで20〜30日間発酵。
果汁を圧搾後、新樽比率40%のフレンチオーク樽で約18〜24ヶ月間熟成。

St-Julienは、PauillacとMargauxに挟まれた土地柄、両者の中庸的なスタイルと言われる事が多いが、
Pauillac的な堅牢で重厚なスタイルと、Margaux的な優雅でフィネスのあるスタイルが見事に調和しているワイン。

1855年の格付け当時、一級シャトー に次いで取引価格が高かったのがこのグリュオ・ラローズ。
エチケットには、「王のワイン、ワインの王」と記されている。
現在でも、「最も愛されている第2級格付けのひとつ」と称されている。

【コメント】
中心は落ち着きのある濃いダークチェリーレッド、エッジには明るいオレンジ色を見て取れる。
グラスを鼻に近づけると、まるで薔薇の花束を抱えているかのような感覚を覚える。
複雑かつ芳香な香りが大きく広がっていく。
ラズベリーやカシスなどの熟した果実とリコリスや乾いた土、森の下生えなどの香りが交錯する。
滑らかなアタックに優しい甘味、しなやかな酸味と緻密に溶け込んだタンニンが柔らかなテクスチャを感じさせ、ほのかな苦味を伴って長い余韻が続く。
ひとたび抜栓すると、そこに優雅な時間が流れ始める。
30年以上の熟成を経たワインはやはり偉大である。