お疲れ様です。
今回BLOGを担当させて頂きますRESTAURANT TOYOのマネージャーの野村浩行です。

先日(11/5日曜日)研修でブルゴーニュにワイナリー見学に行ってまいりました。
今回お邪魔したのは
Domaine FLEUROT-LAROSE (ドメーヌ フルーロ・ラローズ) http://yamatoeurope.com/japanese/wine/france/santenay/FleurotLaRose.htm

 

サントネにあるこちらの蔵は歴史が古く、この一帯は温泉保養地としても有名で、その温泉の効能がでるとされる3週間…その滞在期間中にカジノやワインに興じることが出来る裕福な村、それがこのサントネ村です。

 

この蔵の凄い所は、圧倒的な広さです。1フロア700平米が地下二階まであるので、合計1400平米の広さがあり古酒まで含む4万本が貯蔵可能とのことです。そして1843年に竣工されたままの状態で今もなお現存しております。(ピュイリーモンラッシェだと掘ると水が湧いてしまうので地下貯蔵庫は不可能)

 

ヒーター等を使わず「自然換気」のみで常に蔵内は11.5℃、湿度75%を保っています。 裕福なオーナーは、更に地底には厚さ45㎝のコンクリを打ち耐久性をあげています。戦時中この建物は立派だったため軍隊の上官が仕切り、兵士にはワインを勝手に飲ませませんでした。(当時は色々なワイナリーが勝手に飲まれないようあの手この手を尽くしてワインを壁に埋めるなどして隠したそうですが、兵士はそれすらよく見つけて勝手に飲み漁ったそうです。)

戦争を無事に潜り抜け、建物と共に残ったワインはとても貴重ですが、この建物に漂う空気感、ボトルに積む埃やクモの巣にすら高貴なものに感じました。湿度が一定なためクモはきれいなミイラとなっています。地下の蔵に降りるとその重厚感もさることながら、嫌なかび臭さはなく、むしろ居心地が良いのには驚きました。

 

もちろん古酒を開けて味わうことも趣がありますが、時代背景を踏まえてイマジネーションを膨らませるのもロマンがあって良いと感じました。もしかしたらまだどこかに隠し部屋があるのではないかと思わせる荘厳な貯蔵庫でした。

ここで作られるワインは今の僕にはまだまだもったいなく、そのワインと向き合えるくらい多くの苦難な状況を乗り越え、立派な大人に成長した時に味わえたらと思います。

野村浩行